参考4.契約種別における禁止事項


質問)「低圧電力」の契約で変圧器を使用してはいけないのでしょうか?
● 「低圧電力」のご契約におきまして、変圧器を通して照明(電灯)や自動販売機などの単相の電気機器(小型機器)をご使用になりますと、電気のお取引の条件を定めた電気供給規定に違反することになります。

質問)なぜ「低圧電力」の契約において、変圧器を通して自動販売機などの単相の電気機器を使用できないのでしょう か?
● 「低圧電力」のご契約では、お客さまのご使用される電気機器(契約負荷設備)をあらかじめ設定していただ くことになっています。お客さまのご契約電力も、この契約負荷設備にもとづいて決められています。
 したがいまして、変圧器を通して「低圧電力」の200ボルトを100ボルトに変換し、照明や単相の自動 販売機などの電気機器をご使用になりますと、契約負荷設備以外の負荷設備をご使用されることになるため、 電気供給規定に違反することになります。

● また、「低圧電力」は、動力をご使用になるお客さまに適用される契約種別ですので、「低圧電力」のご契約 におきまして、電灯または小型機器をご使用になりますと、電気供給規定に違反することになります。

 質問)「低圧電力」の契約において自動販売機など単相の電気機器を使用したらどうなるのでしょうか?
● 「低圧電力」のご契約におきまして、契約負荷設備以外の負荷設備をご使用になり、当社がその旨を通知させていただいても改めていただけない場合には、送電をお断りすることがあります。また、これによりお客さまが電気料金のお支払いを免れた場合には、その免れた金額の3倍に相当する金額を違約金として申し受けることがあります。

質問) 一度供給を受けた電気は、どのように使おうと、自由ではないのでしょうか?
● 電気のお取引は、ただ電気を買う・売るという契約ではありません。お客さまの電気のご使用条件(使用設備、使用期間、電圧など)によりまして、ご契約の種類(契約種別)や契約電力が決められます。お客さまには、このご契約にもとづき電気をご使用いただいておりますので、お送りしている電気をどう使おうと自由という契約ではありません。



 平成7年12月5日

仙台地裁判決 決・平成6年(ヨ)539号

小型変圧器の設置という、電気工作物の改変により、  低圧電力の一部を変圧し、低圧電力供給契約の契約負荷設 備以外の負荷設備により電気を使用する行為 は、本件規定42(3)ハに違反しており、「不正に」低圧電力供給契 約により供給される「電気を使用」したものと言わざるを得ない。
(平成10年度版電力小六法より)


平成元年4月1日実施 東北電力電気供給規定

規定42 供給の停止

(3) お客さまが次のいずれかに該当し,当社がその旨を警告しても改めない場合には,当社は,そのお客さまについて電気の供給を停止することがあります。
イ お客さまの責めとなる理由により保安上の危険がある場合
ロ 電気工作物の改変等によって不正に電気を使用された場合
ハ 契約負荷設備または契約受電設備以外の負荷設備または受電設備によって電気を使用された場合



平成8年1月1日 電気供給約款の改訂
低圧電力「その他」

変圧器等を介して、電灯または小型機器を使用することはできません。

供給の停止
(3) お客さまが次のいずれかに該当し,当社がその旨を警告しても改めない場合には,当社は,そのお客さまについて電気の供給を停止することがあります。
低圧電力の場合で,電灯または小型機器を使用されたとき。



平成9年4月1日発行「電気供給約款の理論と実務」

 低圧電力の適用範囲は動力を使用する需要であり、具体的には使用される負荷設備により判断することとなる。このとき 三相を単相に変換する変圧器などは、それに接続された負荷設備を使用するための設備であり、それ自体は負荷設備に該当しないため、変圧器を介して電灯または小型機器を使用する場合には、低圧電力の適用範囲である動力以外の負荷設備を使用することとなり、低圧電力を適用することはできない。



平成9年6月、関東地区の業者の主張が新聞に掲載される。

業者の主張

電灯電源に比べて割安な工場用の動力電源で発電用モーターを回し、発電した電気を電灯用に使う仕組みを開発した。
東電など電力各社は「動力電源をモーターの回転など機械的エネルギーに変換した後の使い道は需要家の自由」としており、電気供給約款などの規則に抵触しない。



合法なのか

 電気は性質の異なる他のエネルギーに置き換える(変成)のが簡単なため、あらゆるものに利用されています。例えば、照明器具は、電気エネルギーを 光エネルギーに変成し、ヒーターは、電気エネルギーを 熱エネルギーに変成し、モーターは、電気エネルギーを 機械エネルギーに変成しています。

 このように需要家は、器具・機械を用いて電気以外のエネルギーに変成したものを使用しており、電気エネルギーをそのまま使用することはほとんどありません。光エネルギー・熱エネルギー・機械エネルギー等は電気とは関係なくなるため、その使用は、電気の法律の対象外となります。
 電気事業法施行規則第22条9項では、エネルギーの使用方法や器具・機械の使用等に制限を設けるときは、電力会社が供給約款に制限事項を定めなければならないこととされていますが、全国の10電力会社の供給約款とも、その制限を設けていません。
 従って、法律的にも、電力会社の供給約款においても、電気以外のエネルギーの使用は、需要家が制限を受けることなく自由に使用できるものとなっています。
東京電力では、モーターの機械エネルギーを規定するものはないと文書で当社に回答しています。

業者の資料より



平成10年2月10日実施電気供給約款改訂
低圧電力その他
変圧器、発電設備等を介して、電灯または小型機器を使用することはできません。

高圧電力Aおよび高圧電力B その他
発電設備等を介して、付帯電灯以外の電灯(小型機器を含みます)を使用することはできません。



平成10年11月30日

 苦情申立を実行した際、資源エネルギー庁公益事業部業務課成瀬氏電話による口頭回答(当時は書面での回答はありません)を得ている。

この条項の基本的な考えは、電力会社からの電気を発電機で機械的エネルギーに変換して使用する、あるいは、充電器・バッテリーなどを用いて時間差を以て使用するなどしても、これらの変換設備は負荷設備を使用するための設備であり、変換設備自体は負荷設備に該当せず、最終的に消費するものが負荷設備であるといえる、即ち、電気供給約款本来の趣旨を維持するための条項である。